お子さまの発達に関する悩みは一人ひとり異なります。言葉がなかなか出ない、集団に馴染みにくい、感情のコントロールが難しいなど、成長のペースには個人差があります。児童発達支援では、お子さまの特性や発達段階に合わせた個別・集団療育を通じて、生活や社会の中で必要な力を育んでいきます。
ここでは、2~6歳のお子さまに向けた具体的な支援事例 を3つご紹介します。
A君(3歳)
言語発達の遅れが気になる
課題
Aくんは言葉の発達がゆっくりで、単語が少なく、意思表示が難しいため、かんしゃくを起こしやすい状況でした。また、集団活動にもなかなか参加できませんでした。
主な支援内容
- 保育士・児童指導員が、絵カードやジェスチャーを使いながら、言葉のやりとりをサポート
- 好きな遊びを通じて、「ちょうだい」「どうぞ」などの簡単なフレーズを練習
- かんしゃくを減らすために、指さしやカードを使ったコミュニケーション手段を増やす
- 少人数のグループ活動を取り入れ、無理なく集団に参加できるように支援
主な支援内容
- 「ママ」「ワンワン」などの単語が増え、言葉のやりとりが少しずつできるようになった
- かんしゃくが減り、簡単な意思表示ができるようになった
- 集団の活動にも少しずつ参加できるようになった
Bちゃん(4歳)
集団生活が苦手
課題
Bちゃんは集団行動が苦手で、一人遊びが中心でした。特にお友だちとの関わり方が分からず、輪に入れないことが多かったです。また、こだわりが強く、活動の切り替えが難しい場面がありました。
主な支援内容
- 児童指導員が、挨拶や順番を守る練習を遊びの中でサポート
- 落ち着けるコーナーを用意し、気持ちをリセットできる環境を整える
- 小グループでの遊びを通じて、お友だちとの関わり方を少しずつ学べるよう支援
- 活動の切り替えがスムーズになるよう、視覚支援(タイマーやスケジュール表)を活用
主な支援内容
- お友だちと「どうぞ」「ありがとう」のやりとりができるようになった
- 先生の声かけで、活動の切り替えがスムーズになった
- 一人遊びの時間が減り、グループ活動に少しずつ参加できるようになった
C君(5歳)
運動が苦手
課題
Cくんは運動が苦手で、ジャンプやバランスをとるのが難しく、転びやすい様子がありました。特にボール遊びが苦手で、お友だちとの遊びにも消極的でした。
主な支援内容
- 保育士・児童指導員が、遊びの中で体を動かす経験を増やす(トランポリン、マット運動、平均台など)
- みんなで一緒に体を動かす遊び(ダンスやリズム運動)を取り入れ、自然に運動量を増やす
- ボール遊びを楽しめるよう、転がし合いから始め、少しずつ投げる・キャッチする練習を取り入れる
- 「できた!」という成功体験を増やし、自信をつける声かけを意識
主な支援内容
- バランスをとる力がつき、転ぶ回数が減少
- 簡単なボール遊び(転がし合い、キャッチ)ができるようになった
- 体を動かすことが楽しくなり、お友だちと一緒に遊ぶ機会が増えた